誰しも自分以外の人がいる限り見せない部分がある。そもそも世界に自分だけしかいなければ見せるという概念自体がない。
他人がいるからこそ浮き彫りになる「自分だけが知っている自分」というのが誰にでもあると思う。
社会性の一切を手放して一人でいる時の、他者が知りようのない自分。
この曲はその“心の本当の部分の存在”を唄っている。

音楽はアコギの弾き語りの静かなバラード。

唄は少年の自分の回想から始まる。友達と遊んだ後、自分一人が公園に残ってジャングルジムの中に入り、“心の本当”モードの自分になって、遠くで聴こえる唄や人々が家路につく気配を感じていた。

そして2番で時を経て大人になった僕が電車に乗っているシーンになる。

例えば最新の涙が いきなり隣で流れたとしても
窓の外飛んでいく 電柱や看板と同じ
それでもどうしてだろう つられて泣いてしまいそうな
名前もわからないのに 話も聞いちゃいないのに

誰から見ても取るに足らない だからこそ誰にも言えない
そんな涙ならきっとわかる

誰もが抱えているであろう泣きたい気持ち。
自分でも理由なんてわからないかもしれない。どうして泣きたいのか、何が嫌なのか、どうしたいのか、どうして欲しいのか。
この世界にたった一人しかいない自分を抱えて、すべてを自分で背負って、いつも自分と一緒に生きている。

誰にも言わない自分だけの気持ちを「そんな涙ならきっとわかる」と思ってくれている人が、この世界に入るという事が、心を温かくする。

自分だけが知っているはずのことを、全然知らない人に共有できてなぜかわかってくれて、一緒に泣いてくれるんだ。
この世界にたった一人しかいないのは自分だけじゃない。誰もが同じ。

未だに心の本当は ジャングルジムの中にいる

ここから出たらいつも通り ありふれた一歩目を歩く

そして唄の最後に、いくつになっても変わらない心の本当を仕舞ったまま、ジャングルジムを出てまた日常に戻っていく。

一人になりたい時、立ち止まりたい時、当たり前の日常の最中でそっと息継ぎがしたくなった時、あなたが“心の本当”に浸りたい時に、ジャングルジムをぜひ聴いてみてね。

この曲はいつでもあなたのそばにいるよ。

アルバム「aurora arc」



楽曲情報

タイトルジャングルジム
作詞・作曲藤原基央
リリース日2019.7.10
収録アルバムaurora arc M5

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次のページからはtomonoのジャングルジムの拝聴感想文だよ。藤原基央さんのインタビューも紹介しているよ。

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